立地の異なるスギ人工林における土壌呼吸量
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概要
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30年生スギ人工林において斜面上の上部,中部,下部に調査区を設け,土壌呼吸量,リターフォール量,の季節変化及び細根量等を測定した。土壌呼吸速度は地温の上昇と共に指数的に増加しy=a exp (bx) (y:土壌呼吸速度,x:地温,a,b:定数)により近似できた。この式を用いて1997年9月から1年間の土壌呼吸量を推定すると上部,中部,下部の順に11.5, 13.4, 6.4 (tC/ha/yr)となり,細根量が他と比べて少ない下部で小さかった.また,小面積の周囲の根を切断した所と自然状態の所の土壌呼吸量の差から根の呼吸量を算出した。その結果,根の呼吸量はスギ上部,中部,下部の順に2:7, 2.0, 1.8 (tC/ha/yr)であり,また,リターフォール量は上部,中部,下部の順に3.2, 3.9, 4.0 (t/ha/yr)であった。ここで土壌有機物が一定と仮定すると,土壌呼吸量≒リターフォール・根リタ一による炭素の供給量+根の呼吸量,となり,これらの値を代入して土壌呼吸量の構成比を検討したところ,より湿潤で細根量の少ない下部でリターフォールと根の呼吸の占める比率が他より高かった。
- 応用森林学会の論文
- 1999-03-25
著者
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