ヒノキの密閉ざしにおける吸水と発根
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概要
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さし穂の周囲をビニールで覆う, いわゆる密閉ざしの下で, ヒノキのさし穂がどのような吸水をするのか, また発根への影響がどのようにあらわれるのか, 4年間にわたる七つの実験から明らかにしてみた。さし付け初期では, 通常のさし木に比べて密閉下でどの程度吸水量が少なくなるかをあらわす吸水抑制率は気温の上昇につれて大きくなった。つまり, さし付け初期では, そのときの気温によってさし穂はいろいろな程度に吸水の抑制を受けることがわかった。吸水抑制率と密閉ざしの発根率との間には比較的高い負の相関がみられた。同じように設定した密閉ざしでも発根成績は実験によっていろいろに異なったが, これはその年々の密閉内の気温が異なり, これが吸水抑制率の変動をもたらし, 発根に影響したと考えられる。密閉ざしでは気温の制御についてとくに考慮しなければならないようである。
- 日本森林学会の論文
- 1990-09-01
著者
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