数種の花粉膜における各膜層の表面微細構造(林学部門)

概要

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この報告は花粉膜における各膜層の表面微細構造についての電子顕微鏡による研究結果の一端である。供試料は5種であり, 実験結果の大要はつぎのとおりである。1.トガサワラ花粉において, perine, ectosexine及びendosexineの3層の表面構造を明らかにした。すなわち, perineは粒状物, ectosexineは平かつ, endosexineは刺状物或いはイボ状物である。2.ツガ花粉において, ectosexine, endosexine及びnectosexineの3層の表面構造を明らかにした。すなわち, ectosexineは指状物, endosexineは刺状物或いはイボ状物, nectosexineはイボ状物である。3.Cupressus goveniana花粉においては, 5層の表面構造を知りえた。すなわち, perineはコンペイトウ型粒状物, ectosexineは刺状物, endosexineはほとんど平かつ, ectonexine及びmesonexineもendosexineと同様である。4.ヒノキ及びカリトリス花粉においては, うえに述べたCupressus goveniana花粉と同様の結果が認められた。5.これまでの実験結果から, この処理法の適用範囲をつぎのように分類した。A)容易なもの;Cunninghamia, Callitris, Thujopsis, Thuja, Chamaecyparis, Cupressus及びJuniperus. B)普通;Taxus, Torreya, Cephalotaxus, Larix, Tsuga及びCryptomeria. C)困難なもの;Picca, Abies及びPinus.
京都府立大学の論文
1961-09-01