樹木花粉膜の表面構造に関する電子顕微鏡的研究(林学部門)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
樹木花粉膜の微細構造を電子顕微鏡的に明確にし, 樹木分類学, 林木育種学および花粉学上の諸問題を解決するための基礎資料をうることを目的として, 1956年春からその研究に着手した。その当時外国において, 数種の花粉膜表面構造に関する研究が2例あった。しかし, わが国においては, まだどの方面からもその業績が発表されていなかったのである。筆者は, 今日まで樹木花粉膜の表面構造に関する研究に専念し, これまで予想しえなかった多くの新事実を明らかにするとともに, 超薄切片法で明確にしえなかった構造を解明することができ, 一応結論をえた。この研究でとりあつかった供試料は, ソテツ, イチョウ, 針葉樹およびグネツムに属する34属・75種, 主要広葉樹に属する69属・176種である。研究法は, 大部分メチルメタクリレート・カーボン2段レプリカ法により, 1部分超薄切片法によるものである。研究結果は, 既往の光学顕微鏡および超薄切片法による研究結果と比較検討し, 筆者独自の分類を試み, 分類表を作製した。その分類結果の意義は, たんに花粉形態学あるいは樹木分類学上価値あるのみでなく, 林木育種学における基礎資料として価値あるものと確信している。
- 京都府立大学の論文
- 1965-09-01
著者
関連論文
- 長野県南木曽町田立湿原の花粉分析
- 滋賀県日野町にある63年生コウヤマキ人工林の物質生産
- 生殖器官の生産量からみたシイ林の有性生殖(林学部門)
- 壮齢アカマツ林の現存量,枯死量,リタ-量およびリタフォ-ル量
- 長野県北安曇郡唐花見湿原の花粉分析
- 長野県上伊那郡大阿原湿原の花粉分析
- コナラ林の再生産器官の生産量--種子生産のための同化産物の投資
- トチノキ林の再生産器官の生産量 : とくに花粉と種子について(林学部門)
- ヒノキの密閉ざしにおける吸水と発根
- 雄ずい数,花粉のう数及び花粉形成からみたクスノキの花の変異
- ヒノキ科花粉について
- 市街地に生育するクスノキの果実の発達と結実戦略
- 市街地におけるクスノキの果実の成長及び生産に関する研究
- 福井県三方郡三方町黒田のスギ埋没林
- 林齢の異るミズナラ林における雄花, 花粉, 雌花及び種子生産の比較(林学部門)
- スギ雄花を構成する鱗片, 花粉のう及び花粉粒の個数
- 比良山地における晩氷期以降の森林変遷
- ミスト条件下の通常のポットざしにおけるヒノキのさし穂の発根
- 比良山地における森林変遷-2-小女郎ケ池湿原の花粉分析
- 約1,000年前以降の琵琶湖北西部低山地における森林変遷
- 東向き及び西向き斜面のミズナラ老齢林における花粉, 雌花及び種子生産の比較(林学部門)
- 約3,000年前のスギカミキリ被害材と当時の森林環境
- 裏日本系スギ林の生殖器官生産量および花粉と種子生産の関係
- コナラ成熟林における繁殖器官各部の乾物生産と種子生産における花粉粒及びめ花数の関係(林学部門)
- シイ林における生殖器官各部の生産量と種子生産に影響する要因(林学部門)
- 丹後半島乗原周辺における森林変遷 : 特にスギ林の変遷について
- ミスト条件下におけるヒノキのさし穂の吸水と発根
- 樹冠の上下部別に採取したヒノキのさし穂の発根成績のちがい
- 比良山地における森林変遷-1-スギヤ池湿原の花粉分析
- 京都市八丁平湿原周辺における最終氷期最盛期以降の植生変遷
- 壮齢アカマツ林の花粉生産量
- わが国の洪積世以降におけるアカマツ林の成立とその変遷に関する研究-1-大分県湯布院小田野池泥炭層の花粉分析結果
- わかいアカマツ林の花粉生産速度
- 75 年生アカマツ林の花粉生産速度(林学部門)
- ヒノキの高とり木における吸水と発根(II) : 高とり木とさし木の発根比較
- マツタケ発生環境要因に関する調査結果--土壌と微気候
- マツタケ発生環境要因に関する調査結果--アカマツの生育および植生について
- 樹幹の振動および固定がハンノキ属 2 種の成長におよぼす影響(林学部門)
- 壮齢ヒノキ人工林の花粉生産量
- ヒノキの高とり木における吸水と発根(I) : さし穂をとり木枝とみたてた実験
- マツタケ発生環境要因に関する調査結果--京都府下におけるアカマツ林のキノコ相
- 奈良県曽爾高原お亀池湿原の花粉学的研究(林学部門)
- ヒノキ人工林内における種子生産および当年生稚樹の消長に関する研究
- 裏日本におけるスギの天然分布に関する研究-1-兵庫県古生沼湿原周辺における森林の変遷
- 京都市北部の貧弱な天然生ヒノキ林の純生産速度(林学部門)
- チョウセンゴヨウ種子の低湿処理期間中の生理学的変化
- 洪積世以降の京都周辺部における森林の変遷-2-天然スギの分布について
- 洪積世以降の京都周辺部における森林の変遷-1-天然スギの分布について
- スギ,ヒノキのじかざしに関する研究
- ヒノキ天然更新の基礎試験 I : 稚樹の発生および消失(林学部門)
- 洪積世以降の近畿地方における森林ならびに気候の変遷に関する研究-2-天然スギ分布に関する研究資料
- 長老ケ岳植物概要(林学部門)
- 樹木花粉膜の表面構造に関する電子顕微鏡的研究(林学部門)
- 花粉膜の表面微細構造によるツガ及びカナダツガの類別について(林学部門)
- Coix 属の改良に関する育種学的研究 (III) : Coix 属及び Zea 属の花粉膜の表面構造について
- 花粉膜の表面構造に関する電子顕微鏡的研究 VI : 裸子植物篇 1
- 林齢の増加に伴うスギ林花粉生産量の変化
- ヒノキのさし穂(切枝)の蒸散と吸水
- 数種の花粉膜における各膜層の表面微細構造(林学部門)
- スギ化石花粉の表面微細構造に関する研究