丹後半島乗原周辺における森林変遷 : 特にスギ林の変遷について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
丹後半島北部の乗原泥炭層から採取した堆積物の花粉分析を行い, 森林の変遷について考察した。その結果, 約6000年前から現在まで次の3時代の森林変遷を認めた。I.Cryptomeria・Ulmus-Zelkova時代 : スギ, ニレ類, ケヤキが優勢な森林であった。前半はエノキまたはムクノキをともない, 後半は人為が加わったと考えられ, スギの増減がくりかえされ森林が不安定になった。II.Cryptomeria時代 : スギが優勢な時代であり, 森林は安定していた。III.Pinus・Cryptomeria時代 : 森林に対する強度の人為干渉によりアカマツが分布を広げた時代にあたる。これらの結果と丹後半島における他の花粉分析結果の対比から, 完新世初期以降, 丹後半島の低地から山地まで, スギを主要構成要素とする森林が形成されたことを認めた。
- 日本森林学会の論文
- 1987-06-25
著者
関連論文
- 長野県南木曽町田立湿原の花粉分析
- コナラ属の稚苗の生育におよぼす被陰の影響
- 滋賀県日野町にある63年生コウヤマキ人工林の物質生産
- 生殖器官の生産量からみたシイ林の有性生殖(林学部門)
- 壮齢アカマツ林の現存量,枯死量,リタ-量およびリタフォ-ル量
- 長野県北安曇郡唐花見湿原の花粉分析
- 長野県上伊那郡大阿原湿原の花粉分析
- コナラ林の再生産器官の生産量--種子生産のための同化産物の投資
- トチノキ林の再生産器官の生産量 : とくに花粉と種子について(林学部門)
- ヒノキの密閉ざしにおける吸水と発根