成熟サトウキビ茎梢頭部のα-アミラーゼに関する研究(農芸化学科)
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概要
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サトウキビ茎梢頭部には二種類のアミラーゼ,α-アミラーゼとβ-アミラーゼが存在した。本研究では前者のα-アミラーゼを高度に精製し諸性質を調べた。精製はα-シクロデキストリンセファロース6Bゲルを用いたアフィニィティーカラムクロマトグラフィーとセファデックスG-100カラムクロマトグラフィーにかけて行なった。その結果,さらに二種類のα-アミラーゼが存在する事がわかった。その両酵素のうち活性の高い酵素はポリアクリルアミドデスク電気泳動的に均一に精製された。同酵素はこの精製法で66,476.8倍に純化され,回収率は75.01%であった。精製酵素をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により分子量を求めた結果,約44,000であった。至適温度と至適pHはそれぞれ,65℃とpH5.0であった。また,可溶性澱粉に対するKm値とVmax値はそれぞれ,2.15mg/mlと146units/mgであった。本酵素は塩化カルシウムを1mM濃度で添加すると著しい熱安定性を示し,55℃で1時間加熱しても安定であった。基質特異性を調べた結果,いずれの基質でも主にマルトヘプタオース(G_7)を生成した。また澱粉分解物の変旋光を測定した結果,その生成物はα型である事がわかった。また,本酵素はα-アミラーゼ測定用着色基質に作用した。以上の事から本酵素の作用型式はエンド型で,主としてマルトヘプタオースを生成するα-アミラーゼであると推測された。精製を行なう際,セファデックスG-100カラムクロマトグラフィーで2つの活性ピークが見られた。今回は活性が高かったピークについて諸性質を調べた。しかし活性が低かったピークについても試験的に可溶性澱粉に作用させ,その生成糖の組成を調べてみた。その結果,本酵素は澱粉に作用させた場合マルトースのみを特異的に生成する事がわかった。
- 琉球大学の論文
- 1989-12-05
著者
-
知念 功
琉球大学
-
知念 功
琉球大学農学部
-
知念 功
琉球大学農学部生物資源学科
-
屋 宏典
琉球大学農学部応用生物化学研究室
-
屋 宏典
琉球大学遺伝子実験センター
-
屋 宏典
宮崎大学
-
屋 宏典
琉球大生物資源
-
知念 功
琉球大学農学部農芸化学科
-
屋 宏典
琉球大学医学部遺伝子センター
-
宮城 大
大阪大学蛋白質研究所
-
伊藤 敬史
チッソ株式会社
-
隈元 俊和
鹿児島県高山中学校
-
知念 功
琉球大 農
-
屋 宏典
琉球大学農学部
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