バガスアルカリ可溶性画分の糖含量と糖組成

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バガスに7%苛性ソーダ液を加えて得られる抽出液に酢酸を加えpH4.5調製することにより得られる沈殿を遠心し,水で洗い,画分1を得た。その上澄みにアルコールを1:1で加えて得られる沈殿を遠心し,アルコールで洗浄し,画分2を得た。画分1と2を酸加水分解した後,ペーパークロマトグラフィーで,糖組成および糖含量を調べた。画分2は,画分1よりも糖含量が高く,キシロース,アラピノース,グルコースが主要な構成糖であった。画分1は殆どがキシロース(全体の96.4%を占めていた。)。薄層クロマトグラフィーでも,両画分にキシロースが存在することを示唆した。さらに,両画分を赤外吸収(IR)スペクトルで解析した結果,画分1と2はともにOH, CH基に特徴的な吸収が見られた。さらにエステル結合およびエーテル結合の存在も示唆された。画分2の水解物残直にベンゼン環の吸収が見られた。画分1と2は,特徴的な赤外吸収パターンを示したが,両者の水解残渣の吸収パターンは一致した。糖鎖の結合様式はβ-結合であった。280nmの紫外部領域に強い吸収を有した。以上から,画分1と2はリグニン様物質に糖鎖が結合した構造を有すると推察されたが,両画分は糖含量,糖組成およびリグニン含量に差異は認められた。一方,ニンヒドリン反応が陰性を示したことから,アミノ酸やタンパク質等は存在しないと推察された。次に,画分1と2の胆汁酸(コール酸ナトリウム,デオキシコール酸ナトリウム,タウロコール酸ナトリウム)との結合能を調べた結果,これらは胆汁酸とは結合しないことがわかった。リグニン含量では,画分1は19.1%,画分2は1.6%存在した。
2003-12-01

バガスアルカリ可溶性画分の糖含量と糖組成

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