温州ミカンの貯蔵における温度の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
11月27日の収穫果を, 関係湿度80〜90%のもとで, 20°, 10°, 6°および2°Cの各温度において, 貯蔵中ならびに出庫後の呼吸, 成分の変化につき検討した.1. 腐敗は20°C, 60日(2月上旬), 10°, 6°C, 120日(4月上旬), 2°C, 160日(5月中旬) 頃より急激に増加する. また20°, 10°Cでは果皮の乾燥がはげしく, 腐敗病も6°C以下と異なり, 果軸周辺部に軸ぐされ病の現われるものが多かつた.2. 貯蔵中の呼吸量は, 低温ほど少なく, しかも入庫1日間 (20°Cでは3日間) に急減し, その後腐敗果の増加期まで一定していた.3. 6°C以下の低温では, ビタミンCの消耗が非常に少なく, ついで糖, 減少の多いのは酸であつた. また腐敗率の高い20°C, 81日, および10°C, 150日では健全果でも, ビタミンC量, 糖量も著しく減少していた.4. 2°Cに貯蔵した場合, 4月中旬より低温障害の兆候のある果実が目立ち, アルコール系揮発物質の発生とこれに伴うCO2発生量が増加した.5. 各温度より20°Cに移した場合, 7〜12時間で呼吸上昇のピークに達し, また低温ほどピーク量は大であつたが, 86日程度の貯蔵であれば, 2°Cという低温でも3日後には呼吸量が正常に復していた. これに対し, 150日貯蔵の各区の呼吸量は, 出庫1日目に86日貯蔵の約2倍の高い呼吸量を示すとともに, その後減少を続けるのみであつた.6. 温度較差の高い, すなわち貯蔵温度が低いほど, 出庫後の果汁成分の消耗ははげしく, とくにビタミンC, 酸の減少は著しかつた.7. 果実温を徐々に上昇させるじゆん化を行なうと, 呼吸の急上昇を起こらず, 腐敗率, 果汁各成分の減少率とも小さかつた.
著者
関連論文
- 2-15 稲作跡及び麦作跡土壌中の脂質ならびにフェノール性成分組成の異同(2.土壌有機および無機成分)
- 2-20 耕地土壌におけるフェノール性成分の挙動 : オガ屑堆肥及び稲ワラ堆肥連用土壌中のフェノール性成分の異同(2.土壌有機および無機成分)
- 家畜糞尿利用によるメタンガスの生産について
- 太陽熱利用システムとサーモサイホンによる熱輸送
- 果実の追熟,老化に伴うインドール酢酸(IAA)及びジベレリン(GA)の消長について
- キュウリ果実切片のACC(1-Aminocyclopropane-1-carboxylic acid)からのエチレン生成におけるガス条件と阻害剤の効果
- おが屑堆肥の腐熟過程における植物毒性成分の変化
- 外国稲と日本稲の生育相
- 鮮度保持剤による野菜の品質保持について
- キュウリ果実切片のエチレン生成に対するmethionineと1-aminocyclopropane-1-carboxylic acidの効果
- 太陽熱の地中長期蓄熱による温室暖房に関する研究
- 温室暖房用熱サイフォン式ヒートパイプの性能
- 各種青果物のエチレン処理に対する呼吸反応性について
- 水稲のホールクロップサイレージによる肉用牛の肥育に関する研究.第2報 : 乳用種去勢牛の肥育試験(畜産学)
- 収穫後のパインアップル果実の内部褐斑現象(Endogenous Brown Spot)に関する研究(園芸農学)
- 牧草の乾燥施設に関する研究 : (第 1 報)ビニールハウスにおける牧草の乾燥(農業工学)
- 水稲のホールクロップサイレージによる肉用牛の肥育に関する研究 : 第 1 報 水稲収穫法及びサイレージ調製法(園芸農学)
- バナナおよびウンシュウミカン果実の成熟におよぼすエチレン, 酸素, 炭酸ガスの影響(園芸農学)
- 温州ミカンの成熟と低温貯蔵との関係
- 温州ミカンの貯蔵にたいする採収時期の影響
- しょう油中のPolyhydroxyalkylpyrazine化合物の分離及び同定〔英文〕
- 多段回転式植物栽培に関する研究.第2報 : ベッドの回転がレタスの生育に及ぼす影響
- トマト貯蔵にたいする二三処理について
- 落花生結実の品種間差異について (第142回講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第14報 莢殻における有機酸とくに蓚酸生成について (第139回講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第13報 結圏実のCa欠乏と種皮成分の関係 (第138回講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第12報 Lipase活性に及ぼすCaの影響について (第137回 講演会)
- "ねりあわせ"法による落花生リパーゼの測定法
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第11報 油脂成方の消長について (第136回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第10報 結実圏の種々の養分処理と有機酸の関係
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第9報 結実圏の養分欠乏と空莢生成ならびに体内成分について
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : X 結実圏のCa欠乏と莢実の有機酸消長 (第135回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 9. 結実に対する結実圏養分欠乏の影響 (第134回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第8報 結実圏のCaと空莢生成について
- タバコ葉におけるCaの行動について (第132回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第7報 根圏のCa欠乏が生育, 結実ならびに体内成分におよぼす影響について
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第7報 吸収 Ca^の移動と体内成分 (第131回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第5報 莢の pH ならびにCa, Mg, K の関係 : 第6報 Ca 不足莢における炭水化物とそれに関与する酵素活性について
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第3報 Caの必要時期と炭水化物の消長
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : (2) 根圏に与えられたCa_45の分布 (第125回 講演会)
- 落花生の結実に関する生理学的研究(第4報) : Ca含量と体内成分について
- 落花生の結実に関する生理学的研究(第2報) : 根から吸収したCa^の分布について
- ピーマン貯蔵におけるプラスチックフィルムの利用について
- 園芸作物の貯蔵技術に関する研究
- 2-22 リグニン添加土壌の微生物相及び有機成分の変動(2.土壌有機および無機成分)
- 2-24 下水汚泥連用区及び対照区土壌中の脂質成分比較(2. 土壌有機および無機成分)
- 2-6 褐色森林土の土壌脂質 : 第1報 リター及び土壌中の脂質成分の分離,同定(2.土壌有機および無機成分)
- 大麦の未乾燥貯蔵に関する研究
- 光照度ならびに照射時間の差異がバレイショ皮層部のクロロフィルおよびグリコアルカロイド含量に及ほす影響
- バレイショのグリコアルカロイドに関する研究 (第4報) 発芽バレイショの部位別ならびに貯蔵バレイショのグリコアルカロイド含量の変化
- 果実の追熟, 老化に伴う呼吸及びエチレンの発生とアブシジン酸の消長について
- セファデックスG-10カラムクロマトグラフィー及び高速液体クロマトグラフィーによるタケノコのホモゲンチジン酸の測定法
- 温州ミカン貯蔵にたいする酸素濃度の影響
- タケノコのチロシン生成に関与するD-グルコース-U-14C及びシキミ酸-G-14Cのトレーサー実験
- 太陽熱の地中長期蓄熱とビニ-ルハウスへの応用
- バナナおよびウンシュウミカン果実の成熟におよぼすエチレン,酸素,炭酸ガスの影響
- タケノコ組織中へのL-フェニルアラニン-U-14C及びL-チロシン-U-14Cのトレーサー実験
- 20°C定温下でのトマト追熟にたいする炭酸ガスならびに酸素の影響
- クリ果実のフィルム包装貯蔵に関する研究
- 多段回転式植物栽培に関する研究.第1報 : 多段回転式栽培装置の試作について
- 光照射および貯蔵温度がバレイショの緑色化とグリコアルカロイド含量に及ぼす影響
- トマトとキュウリ果実の生育•成熟に伴う1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸 (ACC) 含量とエチレン生成酵素活性の変化
- タケノコのホモゲンチジン酸含量に及ぼす収穫時期, 重量, 栽培地ならびに貯蔵の影響
- 温州ミカンの貯蔵における温度の影響
- 洋ナシ・バートレットの採収時期と追熟との関係
- 洋ナシ・バートレットの揮発物質と追熟との関係
- 果実の鮮度保持に対する市販エチレン吸収剤の効果について(園芸農学)
- 青果物の貯蔵における減圧処理の効果に関する研究 (第1報) : バナナ,トマト,西洋ナシの追熟抑制効果について(園芸農学)
- 中間セル方式ガスクロマトグラフにおける Porapak の利用と貯蔵食品の呼吸測定への応用(園芸農学)
- 野菜類貯蔵におけるプラスチックフィルムの利用について
- 丹波黒ダイズのエダマメ利用におけるMA包装貯蔵
- 落花生の結実に関する生理学的研究 : 第1報 結実圏に与えられたCa^の結実部位別分布について
- Modified Atmosphere Packaging of Immature Black Soybeans(Blycine Max Merr. 'Tamba kuro') Served as a Vegetable Snack.
- タイトル無し