水稲のホールクロップサイレージによる肉用牛の肥育に関する研究 : 第 1 報水稲収穫法及びサイレージ調製法(園芸農学)

概要

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1. 水稲品種金南風を乾田直播し, 播種量及びサイレージ調製法と製品の品質との関係及び収穫作業体系について検討した。[table] 2. 播種量は8,16及び32kg/10aとし, ホールクロップサイレージとするために, 乳熟期∿糊熟期に収穫した。3. 収穫にはフォーレージハーベスターと自脱型コンバイン(定格出力9.5馬力, 2条刈)とを用いた。コンバインを用いた作業体系は次の4種である。1) 脱穀なし, パッキングカッター使用2)脱穀あり, パッキングカッター使用 3) 脱穀なし, コンバインカッター使用 4) 脱穀あり, コンバインカッター使用脱穀を行わない場合は, 収穫稲全体がカッターで細断されるが, 脱穀を行う場合は, 籾のみ別の袋に収納される。次に, パッキングカッターを使用する場合は, 収穫物は袋詰めされるので, 圃場内の袋の運搬(籾袋を含む)は, 自走式クローラ型運搬車で行った。コンバインカッターを用いる場合は, 細断した収穫物は地上に落とし, ピックアップワゴンで拾い上げ, 運搬した。4. m^2当り茎数及び葉面積は播種量が多いほど大きかったが, 稈長及び穂長は播種量が少ないほど長かった。その結果, 収穫時のm^2当り生草収量の播種量による差はきわめて小さかった。[table] 5. サイレージの飼料価値と播種量及びサイレージ調製法との間には, 明らかな関係は認められなかった。6. コンバイン収穫後に予乾処理した場合及びフォーレージハーベスターで収穫した場合に, 良質のサイレージが得られた。7. 作業測定としては, 損失と作業能率を調査した。コンバインの刈り取り面積, 袋数, 一袋重から10a当りの袋詰め収量を求め, 坪刈り収量をコンバインの供給量として損失を求めると, 約30∿40%になった。これはブローワの出口損失及びつまり時の損失等から成り立っている。8. 作業能率は, 作業時間を刈り取り走行, 旋回空走, 袋装着のための停止, その他の理由による停止(故障修理等)に分けて調査した。その結果, コンバインが走行している時間(刈り取りと旋回の合計)は約40∿80%の範囲にある。これは, 操縦者の熟練度のちがい等によるものと考えられる。
神戸大学の論文
1981-01-30

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