濃厚飼料とイネワラによる去勢牛肥育 (II) : 和牛の600kg仕上げにおけるサイレージ給与との比較
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概要
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黒毛和種去勢子牛4頭を, 8週間の予備飼育ののち, 2区に分け, 一方はサイレージの不断給与, 他は対照区として, 濃厚飼料, イネワラ, 水の不断給餌方式で490日間の肥育試験を行なった。主な結果は次のとおりである。1. 試験終了時の体重はサイレージ区が628.5kg, 対照区が582.5kgで, 肥育試験中に特別の障害は発生せず, この方式による600kg仕上げは技術的に充分可能と思われる。2. 1日増体はサイレージ区0.81kg, 対照区0.70kgで, サイレージ区はとくに開始後40週間の増体がすぐれていたが, この差が個体差に基づくという可能性を否定できなかった。3. サイレージ区, 対照区の1頭当り濃厚飼料採食量はそれぞれ, 3,403kg, 3,388kgで大差がなく, イネワラ採食量はそれぞれ621kg, 835kgでサイレージ区が少なく, また, サイレージの採食量は147.4kgとごく少量であった。4. DCP, TDNの摂取量は両区に大差がなく, 増体の差を反映して, TDN要求率はサイレージ区が6.89で, 対照区の8.07よりもすぐれていた。この差の一因は粗飼料・濃厚飼料比の違いにあるものと考察された。5. 試験牛の枝肉は前回の試験よりも肉の色沢にすぐれ, いずれも特選または極上に格付けされた。また, 両区間には肉質に大差がなく, 販売単価もほぼ同様で, 枝肉量の多いサイレージ区が販売価格は高くなった。6. 試験牛の肥育収支から, 濃厚飼料, イネワラの不断給餌方式による600kg仕上げは経済的に有利であることが推論された。
- 神戸大学の論文
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