兵庫県産子牛の発育と価格に関与する諸要因 (I) : 昭和48年度市場成績の一般的分析結果(畜産学)
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概要
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兵庫県産子牛の発育と価格に及ぼす各種要因の影響を知るために, 昭和48年度中に県下各子牛市場に出場した7,667頭の成績を, 最小二乗分散分析法によって分析した結果は次のとおりである。1. 体重に対する寄与率は, 性, 生後日令, 残余が大きく, 市場開催回数の多いほど, 生後日令の寄与率が大きく, 残余の寄与率が小さくなる傾向を認めた。2. 価格に対する寄与率は, 性, 開催月, 体重, 残余が大きく, 種牛生産地として著名なところでは性の寄与率が, また市場回数の多いところでは開催月の寄与率が大きくなる傾向があった。3. 体重および価格の性による差は各市場区分とも1%水準で有意で, 雌は雄または去勢よりも約20kg小さく, 価格は12∿26万円高かった。4. 市場開催月による体重, 価格の差は有意である場合が多く, 体重は11月市場を中心に大きく, 価格は相場変動を反映して, 9月あるいは11月市場が最高となった。5. 体重の母牛年令に対する偏回帰は0.9∿1.2kg/年で各区分とも有意であった。母牛得点に対する偏回帰は-2.7∿6.8kg/点で, 但馬地区では有意でなく, 他の地区では有意な正の回帰を示した。また, 生後日令に対する偏回帰は0.3∿0.9kg/日で各区分とも有意であり, 市場回数の少ない区分ほど大きかった。6. 価格の母牛年令に対する偏回帰は, 但馬・豊岡市場のみ有意な正の回帰を示したが, 他の区分では有意でなかった。母牛得点に対する偏回帰は0.7∿3.2万円/点, 生後日令に対しては, -0.21∿-0.05万円/日, 体重に対しては0.19∿0.33万円/kgで, これらはいずれも有意であった。7. 父牛による体重の差は有意である場合が多く, 各区分に共通して発育のすぐれる父牛も認められたが, 区分によって傾向が一定でない場合もあった。父牛による価格の差は有意でない場合が多く, 知名度の高い父牛の子は高く, 若い父牛の子が安い傾向があった。8. 全市場を加重平均した遺伝率は, 体重0.116,価格0.058で, いずれも低いことが認められた。
- 神戸大学の論文
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