作物の競合ならびに補償に関する研究 (第5報) : 栽培方式が水稲の器官別乾物重におよぼす影響(園芸農学)

概要

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成苗植区(M), 稚苗植区(Y), 乾田直播区(D)を設定し, 水稲日本晴の生育過程における地上部乾物重の推移と, それを構成している器官の比率について比較検討した。1) M・Y区の地上部乾物重は9月中旬の最高まで急速に増加し, その後収穫期までゆるやかに減少した。D区も9月中旬まで急増したが, その後も収穫期までゆるやかな増加を続けた。2) 葉身重と葉鞘重をくらべると, 本田では栄養生長期間中はどの区においても前者がやや重く, 急速な節間伸長がみられる時点でこの関係は逆転した。逆転した以後の両者の差はD区で最も大きかった。3) 収穫期の器官別乾物重の百分比はつぎの通りであった。葉身重の百分比は8∿9%で, 各区ともほぼ等しかった。葉鞘重の百分比はM・Y区はともに12%であったが, D区は14%であった。稈重の百分比は19∿20%で各区ともほぼ等しかった。穂重の百分比はM・Y区は60∿61%であったが, D区は58%であった。本報告については, 作物学教室丹下宗俊教授の指導ならびに校閲をたまわった。また調査では農場作物部技官政宗保美君の協力を得た。ここに深謝の意を表する。
神戸大学の論文