短鎖脂肪酸残基を有する<I>N</I>-アシロキシスクシンイミドの合成及び水溶液中での脂肪族第一級アミンとの反応
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概要
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<I>N</I>-アシロキシスクシンイミド (3) (CN=2〜11) はジオキサン中, <I>N</I>, <I>N</I>-ジシクロヘキシルカルボジイミド存在下で<I>N</I>-ヒドロキシスクシンイミド (1) と相当する脂肪酸 (2) との反応から合成した。 (3) は分別結晶及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し, その構造はGLC-MSから決定した。<BR>水溶液中での (3) (CN=2〜8) と脂肪族第一級アミンとの反応を速度論的に検討したところ, アミンの<I>N</I>-アシル化は (3) の分解反応と競争的に起こり, 速度式は<BR>V=-(<I>k</I><SUB>1,d</SUB>+<I>k</I><SUB>2</SUB>[アミン])[(3)]<BR>で表すことができた。ここで, <I>k</I><SUB>1,d</SUB>は (3) の分解の一次速度定数, <I>k</I><SUB>2</SUB>は (3) とアミンとの反応の二次速度定数を示す。<I>k</I><SUB>2</SUB>は (3) のCNが大きい程小さい値を示した。log <I>k</I><SUB>2</SUB> <I>vs</I>. pHのプロットの傾きが1.0であることから, 反応は遊離のアミノ基が (3) のエステル基のカルボニル炭素を求核的に攻撃して起こることが示唆された。アミンのアルキル基の立体障害により<I>N</I>-アシル化の速度の低下が認められた。速度比, <I>k</I><SUB>2</SUB>/<I>k</I><SUB>1,d</SUB>はpH=9で極大を示した。直鎖のアミンとの反応では10<SUP>-3</SUP><I>k</I><SUB>2</SUB>/<I>k</I><SUB>1,d</SUB>は1より大きかった。以上の結果から, (3) が水溶液中でアミノ化合物の<I>N</I>-アシル化剤として利用できることが明らかとなった。
著者
-
平田 博文
北海道東海大学 工学部 生物工学科
-
石川 一彦
工業技術院化学技術研究所
-
樋口 勝彦
工業技術院化学技術研究所
-
平田 博文
工業技術院化学技術研究所
-
中里 敏
工業技術院東京工業試験所
-
平田 博文
工業技術院 化学技術研究所
-
中里 敏
工業技術院・化学技術研究所
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