N- [1- (1-ナフチル) エチル] カルバメートジアステレオマーを用いた順相HPLCによる第二級アルカノールのエナンチオマーの定量

概要

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第二級アルカノール (1) は構造が単純なため, そのエナンチオマーの分離はキラル分割剤と反応させてジアステレオマーの形でGCやHPLCで行われている。また, 光学活性な1- (1-ナフチル) エチル=イソシアネート (NEI) は第二級アルコールの分割剤として利用されているが, HPLC分析のためのジアステレオマー (カルバメート) の調製法には問題がある。そこで本報では (1) を標準物質として, NEIとの反応条件, 生成するカルバメート (2) のHPLCによる分離を検討したところ, (1) はNEIとトルエン中で加熱すると容易に (2) を生成し, (2) のジアステレオマーはアキラルな固定相 (順相) で分離することが分かった。 (R) -NEIの場合は, (1) の (S) 体の方が (R) 体よりも早く溶出したが, (S) -NEIでは (R) 体の方が早く溶出した。また, (1) のヒドロキシル基が分子の中央にくる程 (1) のエナンチオマーの分離係数が小さくなることが認められた。本報の方法をリパーゼ触媒を用いたトリブチリン (トリブチリルグリセリン) と2-アルカノールとのエステル交換生成物, 酪酸2-アルキルの光学純度の決定に応用したところ, 本報の方法で求めた値と従来法である旋光度測定から求めたものと良好な一致を示した。