血管作動薬剤による実験的肝硬変及び肝悪性腫瘍発現の抑制
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概要
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慢性肝障害発現に対する血管作動物質の影響を,ラットで検索した.血管作動物質にはNeurotropin R (NSP)を使用し,硬変肝はCCl4で,肝悪性腫瘍は3-Me-DABにより惹起した.CCl4単独投与群では13週迄に全例著明な偽小葉の形成が見られ,実質内に脂肪変性を伴うものもあった.CCl4と同時にNSPを投与すると,一部にグ鞘域に線維の増生が認められたが,偽小葉形成は全例抑制されていた.0.06%3-Me-DAB混入食を13週投与すると,以後は通常食にしても,23週迄には肝悪性腫瘍が発現した.3-Me-DAB開始後7週目よりNSPを投与すると,23週時では,表面の凹凸不整と共に胆管増生〜過形成を示す所見が見られ,一部では胆管癌に進展していた.しかしながら,NSPを4週目より投与すると,癌の発生は23週時迄阻止された.以上から,硬変肝並びに肝悪性腫瘍の発現に与える血管作動物質の関与,及び血流の意義が示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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佐々木 憲一
北里大学病理
-
奥平 雅彦
北里大学病理
-
石井 公道
北里大学医学部・内科学
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石井 公道
北里大学消化器内科
-
渋谷 明隆
北里大学消化器内科
-
柴田 久雄
北里大学消化器内科
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岡部 治弥
北里大学消化器内科
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