アノブラール(酢酸ノルエチステロン,エチニルエストラジオール合剤)によると思われる巨細胞性肝炎の1例
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概要
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症例は33歳の女性で,経口避妊薬(Anovlar)を服用したところ,第2サイクルの終了間際に嘔気,全身倦怠感,〓痒感が出現してきたため当院を受診し,黄疸と肝障害を指摘されて入院した.第35病日の肝生検の結果得られた病理組織標本では,胆汁うっ滞像,spotty necrosisに加えて本例に特異的所見である多核巨細胞が多数みられた.巨細胞はしばしば乳児肝炎の特徴像としてみられ,成人ではまれとされているが,Liberらの例を初めいくつかの報告がある.巨細胞の出現機序については,融合説,核分裂説などが考えられているが,それらのいずれとも確証がない.本例でもそれについての詳細な検討がなされたが,どのような機序によるものか明らかにしえなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
奥平 雅彦
北里大学病理
-
矢島 太郎
北里大学病院・健診センター
-
外山 久太郎
平塚共済病院・内科 消化器科
-
柴田 久雄
北里大学 内科
-
外山 久太郎
北里大学 内科
-
新関 寛
北里大学 内科
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為近 義夫
北里大学 内科
-
三井 久三
北里大学 内科
-
広門 一孝
北里大学 内科
-
岡部 治弥
北里大学 内科
-
矢島 太郎
北里大学病理
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