7-Chloro-1-methyl-5-phenyl-1H-1,5-benzodiazepine-2,4-(3H,5H:)-dione(Clobazam)の行動薬理学的ならびに脳波学的研究
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概要
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clobazam(CBZ)の脳波学的ならびに行動薬理学的作用について,主にdiazepam(DZP)およびchlordiazepoxide(CDP)の作用と比較検討した.1)ウサギの自発脳波に対してCBZ,DZPおよびCDPは,それぞれ2〜10mg/kg(i.v.)で用量依存的に抑制し,CBZの作用はDZPのそれと同程度であった.中脳網様体または視床下部刺激による脳波覚醒反応に対する抑制作用はDZP,CBZ,CDPの順で強かった.大脳辺縁系後発射に対しては,CBZ,DZPとも5〜10mg.kg(i.v.)の用量で抑制した.2)ラットの視床下部自己刺激行動において,低電流通電時によるlow.rate.responseはCBZ,DZPおよびCDP,それぞれ2,1および10mg/kgで亢進作用を示した.VIスケジュール時に対する作用はDZP2mg/kg(p.o.)で,CDP5mg/kgより,およびCBZ10mg/kgで亢進作用を示した.DRLスケジュール時では,DZP2mg/kgより,CBZ,CDPは5mg/kgより亢進作用を示した.3)マウスのpentylenetetrazolけいれんに対するCBZ,DZPおよびCDPのED50値は,それぞれ1.1,0.6,および2.8mg/kg(p.o.)で,CBZの作用はDZPの約0.5倍,CDPの約2.5倍の強さであった.最大電撃けいれんに対するCBZ,DZPおよびCDPの抑制作用のED50値は,それぞれ14.0,18.5,36.0mg/kg(p.o.)で,CBZの作用は,DZPの約1.3倍,CDPの約2.5倍の強さであった.4)嗅球摘出ラットの情動過多に対してCBZは抑制作用を示し,muricide抑制の程度はDZPの約0.7倍の強さであった.5)またマウスのinclined screenおよびrota-rod testによる筋弛緩作用の検定ではCBZ40mg/kgを投与しても著明な作用は認められなかった.6)マウスのthiopental睡眠に対するCBZの増強作用のED50は5.8mg/kg(p.o.)でCDPの約2.2倍,DZPの約0.27倍の強さであった.以上のように1,5 benzodiazepineのCBZは質的に1,4benzodiazepinesのCDP,DZPと同様な行動薬理学的作用を示すが,全般的にその作用強度はDZPとほぽ同程度か,わずかに弱くCDPよりはるかに強い薬物である.
著者
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