5-(o-Chlorphenyl)-1-methyl-7-vitro-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one(ID-690)の脳波学的研究
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概要
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慢性電極植込みウサギを用いて,行動観察と同時に脳波ならびに大脳辺縁系後発射に対するID-690の作用をdiazepamのそれと比較した.ID-690は,0.05〜0.2mg/kgの少量投与でウサギは鎮静状態を示し,これにともなって,脳波は全:般的にdrowsypatternとなり,皮質,扁桃核では高電圧徐波,海馬ではφ波の脱同期化がおこる.この場合,とくに皮質において高電圧徐波の上に速波成分(β波)が重畳するのが特徴である.これらの作用はdiazepamでも全く同様であるが,ID-690の方がはるかに強力である.音刺激による脳波覚醒反応は.ID-690によって著明に抑制される.また,中脳網様体および後部視床下部刺激による覚醒反応もID-690によって抑制されるが,この場合,後部視床下部刺激による覚醒反応の抑制がより強かった.diazepamの作用も質的には全く同様であるが,ID-690の方がはるかに強力である。閃光刺激によって後頭葉皮質に誘発される電位(photic driving response)は,ID-690およびdiazepamによってほとんど影響を受けない.漸増反応(recruiting response)は,ID-690,diazepamによってごく軽度に増強される.海馬,扁桃核の刺激による後発射(after-discharges)は,ID-690,diazepamのいずれによっても著明に抑制されるが,作用はID-690の方がはるかに強力である.以上,ID-690の脳波ならびに大脳辺縁系後発射に対する作用は,質的にはdiazepamに類似しているが,その作用はdiazepamの約10倍強力である.
著者
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