チャのサイトカイニン様物質の検出と茶葉の熟度に伴う変動
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概要
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キュウリの黄化子葉を用いたサイトカイニンの生物検定法を検討するとともに,その方法を用いて茶葉のサイトカイニン活性を測定し,次のような結果を得た。<BR>1.キュウリの黄化子葉を用いたサイトカイニンの生物検定法に対して,オーキシンとジベレリンはむしろ阻害作用を示したが,サイトカイニンの類似化合物であるアデニン,アデノシンなどは活性を示さなかった。また,シュークロースもこの生物検定法に影響を与えなかったが,リン酸は5×10-8Mで最もクロロフィルの合成量が多かった。この生物検定法の変動係数は6反復で6.3400であった。<BR>2.茶葉のサイトカイニンをメタノールで抽出し,常法どおり処理し,n-ブタノールに抽出され,ダウエッタス50Wに吸着される画分Aと,n-ブタノールでは抽出されず,.ダウエッタス1に吸着する画分Bに分けたところ,画分Aでの活性が非常に強かった。また,この画分の活性は銀イオンによって完全に沈澱した。<BR>3.画分Aをポリビニールピロリドンカラムクロマトグラフィーで分離したところ,三つの活性ピータが得られた。この中で最初の活性が最も大きく,ゼアチン,リボシルゼアチンと同じ位置に溶出された。また,ペーパークロマトグラフィーを行ったところ,ゼアチンとリボシルゼアチンに相当するRfの部位に活性が検出された。<BR>4.4月上旬の1年生苗を新芽,古葉上部(上から7葉まで),古葉下部,根に分け,その画分Aにおけるサイトカイニン活性からベンジルアデニン相当量を算出したところ,新芽で15,896μg/kg,古葉上部で1,413μg/kg,古葉下部で0.557ag/kg,根で1,788μkgであった。<BR>5.一番茶,三番茶の芽におけるサイトカイニンの変動を調査したところ,芽の生育に伴いその活性量が減少した。特に一番茶ではその減少が著しかった。また,三番茶は一番茶に比べサイトカイニンの活性量が全般的に少なかった。
- 日本茶業技術協会の論文
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