外耳道伝達関数補償のための適応逆フィルタ推定システムの構築(音声,聴覚)
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概要
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イヤホンを用いて頭外に音像を生成する頭外音像定位には,頭部伝達関数(HRTF)と外耳道伝達関数(ECTF)が必要である.このECTF補償を行わない場合は,頭外音像定位が難しくなり,定位精度が劣化するなどの問題が生じる.しかし,このECTFはイヤホンの種類や装着状態,更に被験者ごとに特性が異なるという特徴がある.そのため,事前にECTF補償を行う固定の伝達関数を用いることは困難であり,適応処理による補償が望まれる.本論文では,ECTF逆伝達関数にDSPを用いた適応逆フィルタの実現法について述べ,受聴評価試験による適応逆フィルタの有効性の検討を行った.その結果,DSPでの演算処理量の検討,及びバッファ構成を工夫し,オーディオ帯域15kHz,サンプリング周波数44.1kHzでの動作を可能にするとともに,頭外音像定位に有効なECTF適応逆フィルタの推定誤差は約-11dB以下であること,また,このECTF適応逆フィルタ推定に必要な時間は約0.3秒であることが分かった.
- 2009-06-01
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