音像定位受聴における方向推定モデルに関する一検討

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概要

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人間の聴覚に関する方向知覚の処理構造について検討する。本報告では実際の聴覚における音の処理に基づいた周波数分割、振動から内有毛細胞への電位変換、スパイク列への変換、時間経過に基づく相関処理を行うモデルを提案する。そのモデルより、方向知覚のためのキューの一つと言われているITD(両耳間時間差)の検出と、その他の生理的振舞いを考察するためのシミュレーションを行う。シミュレーションには反射のあり、なしの部屋について行い、それらの知覚の違いについても考察を行った。その結果、周波数年割における中心周波数が約1kHzまでの場合に、反射のある部屋では時間経過により定位感は低下するが、刺激の立上りで、反射のない部屋のものとほぼ等しい定位が行われていることがわかった。また、中心周波数が数kHzの場合は不応期があるため、時間差は全体的に分散され、ITDの検出には直接関与されないであろうことも確認した。
2002-10-17

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