壮令林内牧草の採食利用性

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間伐度合を3段階に違えた20〜25年生アカマツ林内牧草(普通間伐区,25%強度間伐区,50%強度間伐区)の放牧牛による採食利用性,とくにその嗜好性を林外の牧草と比較検討した。また林内牧草,および圃場にて林内の日射量を想定して寒冷沙で庇陰栽培した牧草を刈取り給与して,林内牧草の嗜好性に関与する要因の解析も試みた。1)林内牧草は林外の牧草よりも採食利用性が低く,林内でも25%強度間伐区,普通間伐区と庇陰度を増すにつれてその傾向が顕著となること,またこの傾向は春季と秋季に特徴的であることが明らかとなった。2)このような林内牧草の採食利用性の低下は,放牧試験と同時期の刈取り給与試験の結果とがほぼ一致していることから,草生状態の違いによる"食われ易さ"の差よりも草中の化学性が関連しての嗜好差によるものと考えられる。3)林内牧草は林外の牧草よりも可溶性炭水化物含有率が低く,硝酸態窒素含有率が高かった。したがって,これらが林内牧草の嗜好性低下に深く関与していると推察される。とくに硝酸態窒素は,林内牧草で多量に集積され,両牧草間におけるその差異も他の成分より最も大きかったことから,今後林内牧草の嗜好性低下の要因を検討するうえで注目すべきことと考えられる。
1982-10-28

壮令林内牧草の採食利用性

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