十勝における春播きコムギの秋および初冬栽培の生育と収量
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概要
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春播きコムギの収量を高める方策の一つとして,十勝地方における秋および初冬栽培について検討した。春播き品種ハルユタカを9月19日(秋播き)と10月中旬〜11月下旬に播種し,その生育と収量を春播き(5月10日播種)と比較した。3年間試験を行い,次の結果を得た。1.秋播きしたハルユタカの再生個体数は290〜386/m^2で秋播き品種チホクコムギの33〜59%であった。一方,初冬に播種したものはわずかしか再生しなかった。2.越冬と再生は年次により大きく異なり,また品種・系統によっても異なった。3.秋播きしたハルユタカは6月2〜11日に出穂し,春播きより26〜27日早かった。4.ハルユタカの草丈と稈長には,春播きと秋播きで差はなく,穂長は秋播きがわずかに長かった。5.秋播きしたハルユタカの子実収量は354〜664kg/10aで,春播きにくらべ3年間の平均で40%の増収であった。6.穂数は春播きが多かったのに対し,一穂粒数と千粒重は秋播きの方が大であった。7.ハルユタカの初冬播きは十勝地方の気象条件では越冬が困難であり,秋播きは春播きに比べて増収するものの,秋播き品種には及ばず,年次による変動が大きいために安定した生産は困難と考えられた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1991-11-30
著者
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学畜産学部
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学飼料作物科学研究室
-
新発田 修治
北海道グリーンバイオ研究所
-
新発田 修治
ホクレン農業総合研究所
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学飼料作物学教室
-
高橋 浩司
帯広畜産大学飼料作物科学研究室
-
角谷 啓登
帯広畜産大学飼料作物科学研究室
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