連続凍結条件下におけるオーチャードグラス品種の凍結害
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概要
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北海道東部地域において,オーチャードグラスの冠部が越冬期間中に遭遇する凍結条件を調査した。その結果,-12℃程度の極端な低温による数時聞の凍結と,それより高い氷点下の温度が数週間も継続するような連続凍結が,本地域における凍結害発生要因として共に重要であると推察された。そこで連続凍結条件下におけるオーチャードグラス品種の凍結害を検討した。耐凍性が大きい品種では,1週間の-3℃連続凍結により耐凍性が急速に増大し,その耐凍性程度が8週間持続した。また,その間個体の凍結死も全く発生しなかった。これに対し,耐凍性が小さい品種では,耐凍性の増大はゆるやかで,わずかであった。また,個体の凍結死も2週間の連続凍結で発生し始め,8週間後には生存率が20%まで減少した。ついで,耐凍性を異にする12品種について,同様な方法で-4℃連続凍結条件下における生存率を求め,別に通常の耐凍性検定法(冠部凍結法)により求めた耐凍性程度との関係をみた。その結果,両者間に密接な相関関係を認めた。これらの結果から,比較的高い凍結温度でも,それが数週間連続した場合には,オーチャードグラスに凍結害が発生する可能性があること,このような連続凍結条件に耐える能力についても,耐凍性の大きい品種は著しく優れていることを認めた。
- 日本草地学会の論文
- 1983-10-28
著者
-
嶋田 徹
帯広畜産大学畜産学部畜産環境科学科
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嶋田 徹
ホクレン
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嶋田 徹
帯広畜産大学畜産学部
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新発田 修治
北海道グリーンバイオ研究所
-
新発田 修治
帯広畜産大学
-
嶋田 徹
帯広畜産大学 飼料作物科学講座
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