ポリエチレングリコールを用いて細胞膜安定性を測るコムギの干ばつ耐性の測定法
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概要
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コムギの干ばつ耐性の測定法として SULLIVAN^<8,9)> がソルガムに用いた方法を取りあげ, コムギに対する本法の有効性ならびに適用の際の留意点を検討した. 予備試験の結果から, 分げつ最上位の展開葉を1 cmの長さに切断し, この1gサンプルをポリエチレングリコール600 (PEG)の高張水溶液(春播きコムギではPEG 20%, 秋播きコムギではPEG 60%)に24時間浸漬する方法を用いた. 浸漬処理によって生じた細胞膜の損傷程度は, 処理後サンプルを脱イオン水中に浸漬し, 浸出した電解質の量を電気伝導度計で測定することにより評価した. 春播きコムギ11品種および秋播きコムギ14品種にこの方法を適用したところ, 損傷程度に大きな品種間差異が認められ, 干ばつ耐性の測定法として本法が有効であることが示された. しかし, 損傷程度は, 葉位, 葉齢, 葉身上の部位, 季節, 生育中に与えられた水分ストレスの程度やその時期などにより大きな影響を受けたので, 測定に際してはこれらの要因について十分留意する必要があることが認められた。また本法の有効性をより明らかにするために, 本法により評価される干ばつ耐性の生理的, 遺伝的基礎および栽培的意義についてさらに検討が望まれた.
- 日本作物学会の論文
- 1987-03-05
著者
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