アカクローバおよびアルファルファにおける貯蔵炭水化物と根の比重との関係

概要

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荳科牧草において根中貯蔵炭水化物は,刈取り後の再生あるいは越冬期間の生存に重要な役割を任うが,その時実際に利用されるエネルギー源は非構造性炭水化物(TNC)である。しかし,TNCの分析には多くの時間と労力を要するので,育種における個体選抜など,多数の試料を扱う場合には簡便な推定方法が要望される。本実験は,アカクローバおよびアルファルファの根中TNC含有率の推定に比重(乾物重/生体時の体積)の利用が可能かどうかを検討したものである。調査は6月から11月まで2〜3週間ごとに行った。両草種において,生育期間を通してみたTNC含有率と比重の間には高い相関々係が認められた。しかし,それらの間には生育経過年数による差異が存在した。すなわち,アカクローバについて2年次植物ではr=0.941,3年次植物ではr=0.964,またアルファルファについてはそれぞれr=0.922,r=0.851であった。このように,生育年次による差異が認められるので,この点についてあらかじめ考慮し,推定式を使用するならば,TNC含有率の指標として比重を用いることは有効であろうと考えられる。
帯広畜産大学の論文
1979-05-18