永年草地のオーチャードグラス個体群における形態的特性
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概要
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草地造成後10年間,毎年2回の刈取りが行なわれている採草地と,5月下旬から10月中旬にかけて年間15回の輪換放牧が行なわれている放牧地からオーチャードグラスの品種Masshardyの生存個体を採集し,利用法の差異による個体群の形態的特性および個体間変異の大きさを比較した。調査は移植2年目の穂揃期に個体植え条件下で行った。利用法の差異による個体群の特性変化は数形質に認められたにすぎず,しかもその差は小さかった。しかし,採草地の個体群は草丈が高く直立型,放牧地の個体群は葡匐型で株の発達が良い特徴を示した。また,採算地の個体群は草丈および止葉着葉高の変異が小さく,放牧地の個体群は分げつ角度の変異が小さいことが認められた。したがって,生存個体群の特性が変化し,またそれらの変異が減少したことは,遺伝的な変異を含む集団に対して草地の利用法による適応的選択が働いたことを示すものと考えられる。
- 日本草地学会の論文
- 1983-04-28
著者
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