4倍体アカクローバの不稔発生機構 : 第3報細胞学的異常と稔性の関係

概要

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1.材料として用いた11個体の総てが28本の染色体をもつ正倍数体であった。これらの第1分裂中期における各種染色体対合の平均数は0.43I,9.35II,0.19III,2.07IVであった。2.多くの分裂異常が減数分裂後期に認められた。もっとも著しい異常は1価染色体あるいは4価染色体の不等分配による異数性娘核の生成で,このような分裂異常が認められた花粉母細胞の頻度は第1分裂および第2分裂後期でそれぞれ49.3%および56.1%であった。3.減数分裂の異常を表わす種々の形質値と雄親としての稔性の間には有意で大きい負の相関係数が認められ,減数分裂の異常が雄性不稔の重要な原因となっていることがわかった。しかし,これらの形質値と雌親としての稔性との相関は小さく,両者の関係をマスクする要因の存在が予想された。このような要因としてアカクローバの特殊な結実習性および雌性配偶子や接合体の発生過程の生理的環境を支配する母株の遺伝子型が重要であると推察された。
帯広畜産大学の論文
1977-11-25