コムギの染色体欠失系統を用いた5A染色体長腕の量的遺伝子座分析
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概要
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コムギ染色体の短腕や長腕の一部が様々な大きさに欠失した染色体欠失系統は,詳細な物理的染色体地図の作成にとても有効であるばかりでなく,一部の主働遺伝子のマッピングにも利用できる.生産性や適応性に関わる量的遺伝子座(QTL)の分析に染色体欠失系統が有効かを知るために,本実験では生産性や適応性に関わるQTLについて情報のある5A染色体長腕を対象に,欠失系統を用いて圃場試験し,これまでの組換え系統を用いたQTL分析の結果と比較,検討した.出穂日や草丈では組換え系統を用いたQTL分析の結果と欠失系統の結果は,検出されたQTLの数や染色体上での位置関係がよく対応しており,その有用性を指摘できた.しかし,5A染色体のように受精能力に影響を及ぼす遺伝子をもつ染色体腕については,欠失系統はその遺伝子の欠落により種子稔性が著しく低下し,収量関連形質の解析は困難であることが分かった.欠失系統を用いたQTL分析は,大きな集団を必要としないことや親間で多型を示すマーカーを必要としないなどの利点があるが,対象とする染色体や形質に制約のあることが推定された.
- 帯広畜産大学の論文
- 1998-06-30
著者
-
三浦 秀穂
帯広畜産大学
-
加藤 清明
帯広畜産大学
-
加藤 清明
帯広畜産大学畜産学部
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学畜産学部
-
三浦 秀徳
帯広畜産大学
-
沢田 壮兵
帯広畜産大学
-
加藤 清明
帯広畜産大学食品栄養科学研究室
-
三浦 秀穂
帯広畜産大
-
秋山 雅世
帯広畜産大学作物科学講座
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