ダイズ品種における着莢数のプロット内変異と栽植密度
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概要
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ダイズ6品種を3水準の栽植密度で栽培し,プロット内の個体間および個体内の着莢数の変異を,主茎対分枝(σ_<m-b>),株間(σ_<hill>),株内個体間(σ_<ind>)および残余の変異(σ_<rem>)に分割し,これらの品種間差異ならびに子実生産との相互関連を検討した。これら4つのプロット内変異は,その推定値として各試験区での着莢数の偏差平方和の分割をもとに,おのおの標準偏差の平方根変換値で評価した。σ_<m-b>の品種間差異は密植区で増大したが,これは分枝着莢数の減少程度が品種間で大きく異なったことによる。σ_<hill>,σ_<ind>,σ_<rem>の遺伝的変異は,逆に密植区で最小となった。個体当たり子実数と100粒重は,どの栽植密度でも大きな遺伝的変異を示した。4っのプロット内変異は,いずれも単位面積当たりの子実収量と独立であった。σ_<hil1>,σ_<ind>およびσ_<rem>は互いに密接に関連し,いずれも個体当たり子実数と正の有意な相関関係があった。σ_<m-b>は他の3つのプロット内変異と独立であった。以上から,栽植密度の変化に対しダイズ品種は,着莢数にっいて固有のプロット内変異を発現するが,特に主茎と分枝の着莢数の差異(σ_<m-b>),およびそれらの株間と株内個体間の変異(σ_<rem>)が品種間で大きく異なることがわかった。また,着莢数のプロット内変異は,子実収量と直接的な関連をもたないが,競合のより激しい密植条件下で収量増のみられた品種は,分枝着莢数が減少するとともに株間あるいは株内個体間変異も減少していた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1990-11-30
著者
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