トウモロコシの複交雑品種「ワセホマレ」とその親の単交雑および自殖系統の表現型安定性

概要

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サイレージ用品種「ワセホマレ」は,北海道で高い適応性をもっている。本研究は,「ワセホマレ」と親の単交雑ならびに自殖系統を対象とし,表現型の安定性に関する基礎的資料を得る目的で,地域と播種日を異にしたときの反応性を検討した。また,同一環境内での個体間の表現型安定性の尺度として,単交雑と自殖系統における個体間変異の大きさを検討した。調査した6形質いずれでも,遺伝子型と環境との相互作用が認められた。「ワセホマレ」と単交雑は,概して自殖系統よりも環境間での表現型の安定性が高かったが,「ワセホマレ」と単交雑の間には安定性に差異がなかった。環境間での表現型安定性は自殖系統の間でも差異があったが,それらの相対的な順位は形質によって異なっていた。個体間変異の大きさは,多くの形質で系統間に有意差があり,それらは主として自殖系統間の差異に起因していた。異型接合体の単交雑は,同型接合体の自殖系統より,同一環境内での個体間の形質発現が必ずしも安定しているとはいえなかった。環境間での表現型安定性と,個体間変異の大きさでみた同一環境内での表現型安定性は,異なった遺伝的支配を受けるこが示唆された。
帯広畜産大学の論文
1986-11-30

トウモロコシの複交雑品種「ワセホマレ」とその親の単交雑および自殖系統の表現型安定性

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