トウモロコシの収量,収量構成要素,ならびにその他の形質におけるヘテローシス効果

概要

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本研究は,トウモロコシの収量と収量構成要素,ならびに植物体の内部形態を含む諸形質に表われるヘテローシス効果を調査する目的で行われた。実験は,トウモロコシの複交配品種,その両親F1,ならびにその親自殖系を比較することによって行われた。ヘテローシスは,胚の大きさ,胚の乾物重,胚乳の乾物重には観察されなかった。胚の大きさと乾物重は,発芽の早さとは関係なかった。草丈では,ヘテローシスがF1雑種に明らかに観察された。草丈の増大は,節間長におけるヘテローシス効果が,おもに関与していた。ヘテローシスは,葉数においては観察されず,葉面積において観察され,葉面積の増加は葉の長さと幅の両者の増加による。とくに,雌穂着生節の葉が顕著であり,雌穂着生節の葉の面積の増加が全葉面積の増加に役割を果たしていた。顕著なヘテローシスは,単位面積当りの収量において観察された。収量増加のおもな要因は,雌穂の1列あたり粒数の増加による。結論として,品種の収量増加は,1列あたり粒数の増加,それを導く雌穂着生節の葉面積の増加によるものと考えられる。
帯広畜産大学の論文
1980-11-29