大豆品種の収量・収量構成要素ならびにその他の形質に及ぼす栽植密度の影響

概要

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本試験は,ダイズ収量,収量構成要素ならびにその他の形質に及ぼす栽植密度の反応を明らかにすることを目的として行われたものである。供試品種は,有限伸育型のキタムスメ・トヨスズ,無限伸育型のワセコガネの3品種で,60cm×20cm(疎植),60cm×10cm(密植)の2栽植密度の分割区法で試験が行われた。無限伸育型のワセコガネの100粒重,1莢粒数には栽植密度はほとんど影響を与えないが,有限伸育型品種の1莢粒数には密度により有意な差がみられた。収量構成要素,すなわち1莢粒数,節当たり莢数,個体当たり節数・個体当たり莢数はいずれも密植区で減少する傾向がみられるが,品種により反応のしかたは異なる。密植区の個体数は疎植区の2倍であり,収量も多いが,収量に与える密度効果も品種により異なる。無限伸育型のワセコガネでは節当たり莢数,個体当たり節数に栽植密度の影響が表れるが,有限伸育型品種では1莢粒数,節当たり莢数や個体当たり節数に影響が表れる。トヨスズでは密度が個体当たり粒数に与える影響が3品種中最も小さいので,密度を2倍にすることによって収量の増加が大きい。密植区では主茎節数は減少する。また草丈やマメシンクイガの被害が増加する。分枝数や不完全粒数などは密度により,有意な差はなかったが,疎植区でやや増加する。葉面積,葉の乾物重,葉柄を含む茎の乾物重などは密度の影響をほとんどうけない。また,播種後2か月目の調査を除き,個体当たり葉数も密度の影響をうけない。無限伸育型のワセコガネは有限伸育型品種と比べると,個体当たりの葉数,葉面積,葉の乾物重,葉柄を含む茎の乾物重が開花期以降急激に増加する。開花始め,開花期,開花終わりは品種ならびに密度により変化しない。密度は熟期には影響を与えないが,草丈の大きいワセコガネ・キタムスメに比べ,短茎のトヨスズはやや晩熟であった。
1979-05-18

大豆品種の収量・収量構成要素ならびにその他の形質に及ぼす栽植密度の影響

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