根粒非着生ダイズにおける葉中窒素含量と子実収量の関係

概要

論文の詳細を見る
ダイズは種子貯蔵タンパク質を合成するために多くの窒素を必要とする。登熟期の栄養器官に貯えられている窒素が増収のために重要であることが知られている。窒素固定するダイズとしないダイズの子実収量が葉中から移動する窒素にどれくらい依存するかを比較することは,大気中の窒素の固定,土壌中からの取り込み,葉組織からの再分配といった3種の窒素源の相互作用を明らかにする上で大変興味深い問題である。本研究の目的は,根粒非着生ダイズを異なる窒素施肥下で栽培した場合の,葉中の窒素含量と子実収量の関係を明らかにすることである。実験の結果,葉中の窒素含量と収量の関係は遺伝子型と年次によって変動した。窒素固定能を欠き,吸収窒素と葉中窒素の再移動に依存している非着生ダイズの子実収量は,施肥した窒素量に反応し,葉中の窒素含量と収量の間に高い相関関係がみられた。子実収量が高く,葉中窒素の移動を促進するような良好な栽培年次には,子実収量の葉中窒素への依存が,とくに着生ダイズにおいて小さくなった。すなわち,窒素が十分に供給される場合,種子は葉中から再移動した窒素よりむしろ,固定窒素や根から吸収した窒素を直接利用すると考えられた。
帯広畜産大学の論文
2000-06-30

根粒非着生ダイズにおける葉中窒素含量と子実収量の関係

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク