ルスチカタバコの二面交雑F1における草丈の個体間変異の開花日依存・非依存成分
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概要
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遺伝的に均一な個体を同一環境条件下で生育させたとき,ある量的形質で観察される個体問の表現型変異は,測定誤差や環境条件の微細な変動を除けば,遺伝子型固有の発育不安定性によっている.このようた表現型変異は,形質問の発育的相互関係を考慮した場合,他の特定の形質の変異に起因して生じた部分と,それ以外の原因で生じた部分とに分けられる. 本研究では,ルスチカタバコの6系統間の正逆交雑による二面交雑F_1を供試し,開花日における草丈の試験区内の個体間変異を,個体間の開花日と草丈の相互関係をもとに二つの変異成分に分割した.一方は,開花日の差異が原因で生じたとみられる依存個体問変異であり,他方は開花目の差異とは独立た残余の変異である. 依存個体間変異は,主として遺伝子の相加的効果によっており,移植日を異にしたとき遺伝子型と環境との相互作用が大きかった(Table1)。残余の変異は,遺伝子の相加的効果に加え,非相加的効果も関与し,変異の大きい方向に部分優性を示した(Table2).これら相加的効果および非相加的効果は,ともに環境との相互作用が小さく,安定的であった(Table4).分割されたこれら二つの変異成分は,いずれの環境でも互いに独立した関係にあり(Table3),異たった遺伝的支配を受けることが示唆された.さらに,両変異成分はともに,形質の環境変化に対する反応能力(表現型可変性)と相関関係がなかった(Table5).
- 日本育種学会の論文
- 1987-09-01
著者
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