コムギ種子の粒単位によるα-アミラーゼ活性の簡便測定法とその応用例
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概要
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コムギの穂発芽に関する研究に供するために,粒単位による種子のα-アミラーゼ活性の簡便な測定方法を検討した。工作用のミニルーターを用いて,種子を胚の部分から削り取り,粉にした。α-アミラーゼ活性は臨床検査用のアミラーゼテスト試薬を用いて,青色デンプン基質法により測定した。一人一日8時間で,50点以上の測定が可能であった。この方法を2つの調査に応用した。1.アミログラムの最高粘度を異にするコムギ種子群について,一粒ずつα-アミラーゼ活性を測定した。最高粘度の低い種子群は高い群に比べて,一部の種子の活性が著しく高く,これらの種子が最高粘度を下げていると考えられた。残りの種子の活性は両群とも同じであった。α-アミラーゼ活性が10.1IU以上の種子が5%以上含まれているとアミログラムの最高粘度が300BU以下となり,低アミロコムギになると推察された。2.一穂の全ての種子のα-アミラーゼ活性を一粒ずつ測定した。ファイトトロンで登熟したコムギでは,1粒を除き活性の低い種子ばかりであったが,圃場で登熟したコムギでは,活性の低いものから著しく高いものまでいろいろであった。穂上の位置と活性との関係は,調査穂数が少なかったために明らかにできなかった。
- 帯広畜産大学の論文
- 1991-11-30
著者
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