穂ばらみ期の低温がイネの開花習性,受粉および受精に与える影響と品種間差異
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概要
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イネの障害型冷害における不稔発生の機作と品種間差異を明らかにするために実験を行った。北海道の早生種で耐冷性程度を異にする2品種,はやゆき(強)と農林20号(弱)を用いた。穂ばらみ期に低温処理を行い,開花習性,受粉および受精に関与する形質について,開花日の観察を中心に調査を行った。次の結果が得られた。1.低温をうけたイネは開花習性および受粉に影響をうけ,その結果,稔実歩合が低下した。2.出穂日,開花日,葯の突出,葯の裂開および花粉の放出は開花当日や前日の気象条件ばかりでなく,穂ばらみ期の低温の影響も大であった。3.低温の影響は花粉の発育ばかりでなく,穂の生育全体におよんだ。また,葯の発育が弱められ,あるものは発育を停止した。4.低温による不稔の直接の原因は葯の不裂開あるいは裂開不良であるというこれまでの報告と一致した。5.低温による葯の裂開は耐冷性の品種間差異とよく対応しており,遺伝分析に用いる形質として適当であると考えられた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1975-10-10
著者
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