穂ばらみ期の低温によって生じた水稲不裂開葯の出現頻度と不稔
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概要
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水稲障害型不稔の直接の原因とされている葯の不裂開に注目して,その出現頻度と不稔について検討した。北海道の早生種"はやゆき"(耐冷性強)と"農林20号"(弱)を用いた。ガラス室で栽培した材料を昼間15℃,夜間12℃のファイトトロンに搬入して低温処理を行った。1972,'73'74年の3年間に処理時期と処理日数を異にする3つの試験を行った。つぎの結果が得られた。1.裂開葯と3種類の不裂開葯が1頴花6本の葯に組合わさると全部で84種類の頴花がありうる。これらのうち本実験で観察されなかった頴花もあった。2.低温による葯の発育停止は,1頴花内の6本の葯が同じか,近い発育段階で発育を停止させることが多く,異なった時期に発育を停止することは少なかった。3.処理期間が長くなったり,低温に対する感受性の高い段階に低温を受けると,裂開葯が減少し,早い時期に発育を停止した葯が多く出現した。4.裂開葯が減少し,不裂開葯b,cの頻度が高いほど不稔歩合が高くなった。5.同じ処理条件では,農林20号のほうがはやゆきよりも不裂開葯の頻度が高く,不稔が多く発生した。
- 帯広畜産大学の論文
- 1977-01-17
著者
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