乳牛の乳・皮膚・糞および敷料におけるCandida属真菌

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Candida性乳房炎の発生要因を検討するため, 牛体およびその飼養環境中のCandida属の分布について調査した.1.乳汁については, 正常乳の326分房中13分房(4%)から, 慢性乳房炎罹患牛の57分房中15分房(26.3%)からCandida属が検出された.菌種としては, 乳房炎乳汁ではC.tropicalisがきわめて多く, 正常な乳汁では調査地区により異なった.2.正常牛73頭の乳房皮膚の69%からCandida属が分離された.菌種としては, C.guilliermondii, C.tropicalis, C.kruseiが高頻度に検出された.しかし, 乳汁中の菌種が, それぞれの個体の皮膚すべてからは検出されなかった.3.正常牛82頭の糞の60%からCandida属が検出され, 菌種としては, C.krusei, C.guilliermondii, C.tropicalisが多かった.検体採取時期により検出頻度, 菌種が異なり, また個体別, 調査地区別に検討すると, 乳房皮膚汚染菌種と完全には一致しなかったが, 乳汁からの菌種とは一致する例があった.4.乳房皮膚汚染源として未使用のオガクズを調べたところ, 9検体すべてからCandida属が10^5〜10^7個検出された.菌種としては, C.guilliermondiiとC.tropicalisのみが検出されたが, 滅菌オガクズでの増殖実験ではC.albicansとC.kruseiも増殖可能であった.なお, 以上の成績からCandida性乳房炎の感染源として, 糞とともにオガクズが重要であることが明らかにされた.
鹿児島大学の論文
1987-03-16

乳牛の乳・皮膚・糞および敷料におけるCandida属真菌

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