ブロイラー由来およびin vitro誘導キノロン耐性Campylobacter jejuniにおけるgyrA遺伝子の点変異と耐性獲得(公衆衛生学)
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概要
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人および家畜においてキノロン系抗菌剤耐性Campylobacterが急激に増加している.そこで,ブロイラー由来およびin vitroで耐性を誘導した菌株のgyrA遺伝子の点変異を検索することにより,キノロン耐性獲得のメカニズムを調べた.点変異のなかった菌株に対するノルフロキサシン(NFLX)とオフロキサシン(OFLX)の最小発育阻止濃度(MIC)は親株(Campylobacter jejuni ATCC 33560)よりわずかに上昇した.Thr-86に点変異があった株に対するナリジクス酸(NA),NFLX,OFLXのMICは,それぞれ100または200μg/ml, 50μg/ml, 25μg/mlであった.Asp-90に点変異が認められた株に対するNAのMICはThr-86に点変異があった株のそれらよりも高かったが,NFLXとOFLXのMICはThr-86に点変異があった株のそれらよりも比較的低かった.ブロイラーから分離されたすべてのキノロン耐性株にも点変異が認められた.これらの結果から,in vitroで誘導された耐性株では,gyrA遺伝子の点変異の位置とキノロン耐性の程度に関係があることが示唆された.他方,ブロイラー由来株では,すべての耐性菌株でThr-86に点変異が認められたにもかかわらず,3剤のMICが様々な値を示したことから,野外菌株の耐性獲得には他の要因も関係していることが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2004-02-25
著者
-
中馬 猛久
鹿児島大学農学部
-
丹羽 秀和
日本中央競馬会競走馬総合研究所栃木支所
-
前田 泰治
独立行政法人農業技術研究機構動物衛生研究所北海道支所:北海道根室家畜保健衛生所
-
岡本 嘉六
山口大学大学院連合獣医学研究科
-
岡本 嘉六
鹿児島大学農学部
-
丹羽 秀和
鹿児島大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
前田 尚俊
鹿児島大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
Okamoto Karoku
Department Of Veterinary Public Health Faculty Of Agriculture Kagoshima University
-
丹羽 秀和
Japan Racing Assoc. Tochigi Jpn
-
中馬 猛久
鹿児島大学
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