牛乳房炎起炎性Aspergillus fumigatusの発育に及ぼす細菌の影響
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概要
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糸状菌による乳房炎における細菌のかかわりについて実験的検討を加えた.A.fumigatus分生子と細菌をLL乳中で混合培養したところ, A.fumigatusの集落形成数は細菌によって抑制され, その程度はP.aeruginosa, S.aureus, L.acidophilusの順に大きかった.とくに, 前2者は分生子の発芽を抑制することが示された.細菌を塗布した寒天平板におけるA.fumigatus集落の発育は, 細菌によって抑制され, その程度はP.aeruginosa, L.acidophilus, S.aureusの順に大きかった.これにより, 細菌がA.fumigatusの菌糸の伸長を抑制することが示された.いずれの実験においても, 抗生物質の添加により細菌を抑制すると, A.fumigatusの発育は対照群と同程度に回復した.他方, A.fumigatusは細菌の発育にほとんど影響しないことが示された.以上の成績により, これらの細菌がA.fumigatusの分生子の発芽や菌糸の伸長を抑制することが明らかになった.とくにL.acidophilusについての知見は, 乳房内に常在する非病原性細菌がA.fumigatusによる乳房炎の発症に関与している可能性を示している.
- 鹿児島大学の論文
- 1986-03-15
著者
-
岡本 嘉六
獣医公衆衛生学研究室
-
雨宮 淳三
獣医公衆衛生学研究室
-
雨宮 淳三
獣医公衆衛生学教室
-
岡本 嘉六
山口大学大学院連合獣医学研究科
-
岡本 嘉六
獣医公衆衛生学教室
-
森 紀子
獣医公衆衛生学研究室
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