と場湯剥湯の衛生学的研究
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概要
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と場湯剥湯について衛生学的検討を行なった.その結果を要約すると次の如くである.1)BOD値は, 豚の湯剥処理頭数の増加と共に増加するが, 透視度値は, 湯剥処理の初期において急速に減少し, 後期にはわずかずつ減少する.2-1)湯剥湯内細菌数は, 湯剥処理頭数が200頭以上になると, その変動が比較的小さくなり, 細菌数の平均値は, 1〜3×10^3の菌数に接近する.2)湯剥湯は, 主にBacillus, グラム陽性無芽胞短桿菌により汚染されるが, グラム陰性菌の出現頻度は低い.3)湯剥湯中に存在するBacillusの大部分が, ゼラチンを強く液化した.3)湯剥湯中に, 有機物, 無機物等が混入することにより, ある種の細菌の熱抵抗性が延長される.又, 湯剥湯中の成分は, ある種の細菌の増殖を支持することが知られた.4)豚の湯剥にあたっては, 最低限200頭処理以前に, 湯剥湯の更新が望まれる.実験材料の採取にあたり, 御協力された, 鹿児島市食肉センターのと畜検査室の方々, 並びに実験データの整理に御協力された本学部佐藤平二助教授に謝意を表する.本報告は昭和48年4月日本獣医学会にて中島が報告した.
- 鹿児島大学の論文
- 1974-03-20
著者
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雨宮 淳三
Laboratory of Veterinary Public Health
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雨宮 淳三
獣医公衆衛生学教室
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中島 充也
Laboratory of Veterinary Public Health
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