食鳥処理場の湯漬湯ならびに冷却水についての衛生学的研究
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概要
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食鳥処理場のなかで湯漬ならびに冷却工程は, と体の細菌汚染が液体を介して拡大する危険性をもつことから, 湯漬湯と冷却水について衛生学的検討を行った, 湯漬湯については, 始業時より生菌数, Staphylococcus数が多く, またCODと透視度で示される理化学的性状も悪いことが示され, 湯漬槽に付着した汚染物が終業時の洗浄によっても完全には除去されていないと推定される.生菌数, Staphylococcus数は, それぞれ1mlあたり10^3個, 10^2個台で恒常状態となった.C.perfringensは検査日により検出頻度が異なるものの, 処理羽数の増加に伴なって検出頻度も高くなることから, 湯漬湯を介してと体汚染の拡大する可能性が示唆される.他方, 低温細菌, Salmonellaは湯漬湯から検出されなかった.冷却水については, 残留塩素濃度の低下に伴なって生菌数, 低温細菌数の増加がみられ, 殺菌剤の効果が示された.生菌数, 低温細菌数はともに10^2個台/mlで恒常状態となった.低温細菌の多くは蛋白・脂肪分解能を有していたことから, 品質保持の面から冷却槽での二次汚染が危惧される.C.perfringensは湯漬湯での菌数が多い場合, 冷却水からも検出された, StaphylococcusとSalmonellaは予期に反して検出されなかった.湯漬湯と冷却水では細菌叢の様相に違いが認められた.両者の汚染源の違い, 液温の差, 殺菌剤添加の有無などが細菌叢に影響するものと思われ, 細菌汚染拡大に果たす両者の役割も異なっていると考えられる.CODや透視度で示される理化学的性状がほぼ直線的に悪化するのに対して, 細菌数は操業後早い段階で恒常状態に達することが示され, 両者の進行動態が異なることが判明した.
- 鹿児島大学の論文
- 1984-03-15
著者
-
岡本 嘉六
獣医公衆衛生学研究室
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雨宮 淳三
獣医公衆衛生学研究室
-
雨宮 淳三
獣医公衆衛生学教室
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岡本 嘉六
山口大学大学院連合獣医学研究科
-
岡本 嘉六
獣医公衆衛生学教室
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安河内 清文
獣医公衆衛生学研究室
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