Multiplex PCRを用いたスズメからのThermophilic Campylobacterの検出 : ブロイラーにおけるCampylobacter汚染源としてのスズメの役割
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概要
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C.jejuni, C.coli, C.lariを遺伝子レベルで迅速に同時識別できるMultiplex PCR法のプライマーの至適組み合わせとアニーリング温度を検討した.確立したMultiplex PCR法はこれら3菌種の標準菌株を特異的に検出できた.通常の性状検査とこのMultiplex PCR法の同定結果は野外分離株(C.jejuni30株, C.coli20株, C.lari4株)全てで一致した.このことから本実験に適用したMultiplex PCR法は迅速かつ簡便にC.jejuni, C.coli, C.lariの3菌種を同時識別できると考えられる.次にブロイラーにおけるCampylobacter汚染源としてのスズメの役割を調べるため, このMultiplex PCR法を用いてスズメからのThermophilic Campylobacterの検出を行ない, 薬剤感受性試験を実施した結果, 分離された13株中3株のC.jejuniがキノロン系抗菌剤に耐性を示した.産業動物の疾病にキノロン系抗菌剤が頻繁に使用されていることを考慮すると, これらの耐性株は産業動物由来と推測され, 耐性株を保有するスズメは産業動物またはそれらの飼料と接触したものと考えられる.このことから逆にすずめが保有するCampylobacterがブロイラーへの汚染源のひとつである可能性が想定される.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-12-25
著者
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