家禽における有機酸塩類の利用に関する研究 : I.雛の生育ならびに血中成分におよぼすクエン酸塩およびクエン酸麹給与の影響

概要

論文の詳細を見る
クエン酸, そのナトリウム塩, カルシウム塩およびクエン酸麹の量をかえて, ブロイラー雄雛に給与した時の生育, 飼料効率および血中カルシウム, ピルビン酸, α-ケトグルタール酸やクエン酸量におよぼす影響について検討した.クエン酸ナトリウムを市販の配合飼料に1.0,1.5および3.0%加えた区では生育が対照区に比べ良好であり, しかも体重の標準偏差が小さくなる傾向が認められた.しかし, 5%クエン酸ナトリウム添加区では幾分生育がおとり, 全雛に尿酸塩沈着症が認められた.また, 添加量が増すに従い飲水量が増し, 飲水, 採食比が増加した.1.0%クエン酸およびカルシウム塩添加区の増体量は対照区に比し1%水準で有意に小さかった.クエン酸麹11.8%のクエン酸を含むが, 摂取量は極めて低く嗜好性が悪かった.しかし, 大麦にクエン酸を11.8%加えた区の雛よりも長い生存日数を示した.血中成分では, ピルビン酸, α-ケトグルタール酸, クエン酸および透析性カルシウム含量はクエン酸塩あるいはクエン酸麹の給与によっても大きな変動は認められなかった.クエン酸ナトリウム添加区の血漿中の全カルシウムは対照に比し5%水準で有意に少なくなる傾向が認められた.終りに当り, クエン酸麹を御恵与いただいた昭和化工株式会社および同社鹿児島研究所々長川原一氏, 病理解剖に御協力いただいた本学家畜病理学教室河野猪三郎助教授, 安田宣紘教官に深謝します.尚, 本報告の一部は昭和46年11月, 昭和46年度西日本畜産学会大会において発表した.
鹿児島大学の論文
1974-03-20

家禽における有機酸塩類の利用に関する研究 : I.雛の生育ならびに血中成分におよぼすクエン酸塩およびクエン酸麹給与の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク