強制換羽鶏の産卵, 卵殻質および血中成分におよぼすクエン酸の影響

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クエン酸投与が, 強制換羽鶏の産卵, 体重, 卵殻質, 血中還元型グルタチオン(GSH), クエン酸量および血漿中のカルシウム, 遊離アミノ酸にいかなる影響をおよぼすかを比較検討するために本実験を行った.結果は次の如くである.(1)クエン酸投与によって, 産卵率, 卵重とも高くなる傾向が認められ1日1羽当りに換算するとクエン酸区が3〜4gも高い値を示した.体重は, 換羽処理によって70%前後に減少したが各区間に大きな差は認められなかった.(2)卵殻質は重量, 厚さ, 強度ともに, クエン酸区がやや低い傾向を示したものの有意な差は得られなかった.(3)血中クエン酸, GSH量は換羽処理によって約1.5〜2倍の高い値を示した.血漿総Ca量は, 強制換羽処理前B区はC区に対し, 5%水準で有意に低く, 処理後2週目にA区がC区に比べ1%水準で有意に高いことから考えると, 産卵回復に影響を与えたものと考えられる.また, 各区それぞれ処理によっておよそ2分の1の減少が認められたが遊離型カルシウムは, 換羽処理による大きな変動がないことより, 常に一定に維持されることが, 重要であろう.(4)血漿遊離アミノ酸パターンに関し強制換羽処理前のアミノ酸総量は, クエン酸区が血漿100mlあたり約3mg高い値を示し, 特に, グルタミン酸, アルギニン, トリプトファンが顕著であった.また, 強制換羽処理によりリジン, シスチン, メチオニン, スレオニン, バリン, イソロイシンの増加が認められた.よってこれらのアミノ酸が羽毛形成および産卵回復に関与する重要なアミノ酸であることが考えられる.
鹿児島大学の論文
1978-03-19

強制換羽鶏の産卵, 卵殻質および血中成分におよぼすクエン酸の影響

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