家兎の背部皮下に埋没したカプセル内への非病原性大腸菌反復注入による遷延感作実験
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概要
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特発性門脈圧亢進症(IPH)は未だ原因の明らかではない難病であるが,その実験モデルとして,ウサギ背部皮下に埋没したステンレス・スチール・メッシュ製カプセル内に長期間(最長56週)にわたり,1週毎および2週毎に抗原を注入し,遷延感作実験を行なった。抗原にはEscherichia coli乾燥菌体を用い,1回注入量は2mgとした。対照として,E.coli 乾燥菌体 2mgとcomplete Freund's adjuvant を混和して得られたェマルジョンをウサギ背部皮下に2週毎に注射した群,E.coli乾燥菌体2mgを腹腔内に注射した群,および静脈内に注射した群,さらに未処置の対照群を設けた。実験成績をみると,カプセル内注入群では1羽に牌重量/体重比の高値をみたのみで,脾腫の発生は認められなかった。肝機能は正常,あるいは軽度のトランスアミナーゼの上昇をみるにすぎなかった。門脈圧の上昇はいずれの家兎にも認められなかった。肝組織像は,異常血行路の出現,門脈枝の狭小化などIPHに特徴的な所見を認めはしたが,その出現頻度は著しく低かった。今回の実験結果を総括すると,遷延感作による抗原刺激では,IPH の実験モデルの作成は困難であると考えられた。
- 北里大学の論文
- 1988-06-30
著者
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奥平 雅彦
北里大学医学部・病理学
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大部 誠
北里大学医学部病理学
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奥平 雅彦
病理学
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久米 光
北里大学医学部病理
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大部 誠
北里大学医学部・病理学
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久米 光
病理学
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大部 誠
北里大 医
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奥平 雅彦
北里大 医 病理学
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奥平 雅彦
北里大学医学部
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