共通積項の少ない多出力関数に対する拡張シャノン展開の適用

概要

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拡張シャノン展開は、シャノン展開が、特定の変数に対する展開であるのに対し、特定の論理式に対するそれであるとして、筆者らが提案した関数の分解法である。これに類する、関数の分解(decomposition)法としては、Ashenhurstの手法(simp1e disjunctive decompoition)や、これを発展させた、Curtisの手法が、古典的な研究として、よく知られている。これらは、与えられた関数F(x_1,x_2,...,x_n)を、F(f_1(x_1,x_2,...,x_s),x_(s+1),...,x_n)のように、一部の変数のみの関数と、これ以外の変数の組との関数として表すなどするもので、変数をどのような組に分けるかに強い関心がもたれた。筆者らは、二線式論理回路として知られる、共通積項をまったく含まない、2出力関数の多段化についての考察から、シャノン展開の拡張を考えたが、これを用いた簡単化の手法は、共通積項を殆んどあるいは全く含まない、一般の多出力関数にも適用可能な汎用性を有すると思われた。本稿では、共通積項の少ない、一般の多出力関数に対する拡張シャノン展開の適用を試み、この分解法をさらに発展させた、一般シャノン展開を提案する。前述した古典的な分解が、与えられた関数を、部分的に、いくつかの変数のみに係わる小さな関数で表現できるかを問題にしていたのに対し、筆者らの、拡張シャノン展開、一般シャノン展開は、常に可能であり、互いに排他的で、足しあわせると1になる関数の組を用いて、もとの関数がどう表されるかを問題にする点が相違している。以下、本稿が扱う、共有積項の少ない多出力関数について述べた後、2出力関数を対象とする拡張シャノン展開、多出力関数を対象とする一般シャノン展開について述べ、最後に、簡単な具体例につき、この展開を用いると、従来技術として代表的なMISを用いる場合より、優れた多段合成結果の得られることを示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24

共通積項の少ない多出力関数に対する拡張シャノン展開の適用

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