中国地方におけるブナの結実(I) : 着果調査
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概要
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1973年に中国地方のブナ林の着果状況を調査し, 以下の結果を得た。1)本年は各地区とも豊作で, 全地区平均で89%の木が, ブナの生育適地では95%の木が果実を着生していた。着果は, 大山地区が最も豊作で, 蒜山地区がやや不良であった。2)ブナ林の着果は標高によって多少異なることがわかった。一般に着果はブナの分布の下限地と上限地で少なく, 標高900〜1,400mの生育適地で多い傾向がみられた。3)ブナ林の着果は林分の閉鎖状態によって異なることが認められた。一般に着果は疎林で多く, 植被率が増加するに従って減少する傾向がみられた。4)林分平均胸高直径と着果との間には相関が認められなかった。林分平均胸高直径が約20cmの林分でも豊富な着果がみられた。しかし, 同一林分内ではとくに密林の場合, 胸高直径の大きい優勢木で多く着果し, 小径被圧木では着果が不良であった。
- 日本森林学会の論文
- 1974-05-25
著者
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