ケヤキの着花習性、開花、受粉、花粉に生産および花粉の飛散について
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概要
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ケヤキは三性同株で、1本の短枝に雄花、両性花、雌花が着生した。1短枝当り平均着花数は、雄花が22.6個、両性花が2.2個、雌花が3.3個であったが、個体および樹冠の部位によって着花数および性比に差異がみられた。雄ずいの数および葯1個当り花粉粒数は両性花よりも雄花で多く、雄花1個の花粉粒数は平均31,260個、両性花のそれは17,370個であった。1短枝当り花粉粒数は746,900個と推定された。開花期は個体によって差があり、雌花は雄花よりも早く開花を始めた。調査した24個体全体の開花期間は約1ヵ月にわたったが、個々の木の開花期間は8日程度であった。花粉は最高気温が15℃以上になれば飛散し、気温が高く、相対湿度の低下した時刻に最も多く飛散した。1日の最大落下数は1,206個/cm^2、1シーズンの合計落下数は平均3,190個/cm^2であった。花粉は柱頭の毛に付着し発芽した。花粉管は大部分が毛にまつわり付いて下降し、柱頭組織に侵入するようであった。自然受粉では平均141個の花粉が柱頭に付着していた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1995-07-01
著者
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